相続税コラム
相続税額ゼロでも申告はしなければならないケース
一般的に知られているように、相続税はすべての相続において課せられるのではなく、取得した財産が一定の基礎控除額を超えた場合に納税することになります。(基礎控除額:3,000万円+相続人の数×600万円)
さて、相続税がかからなければそれで安心かと言うとそうではない場合もあります。タイトルの通り、相続税額自体は0円でも以下のような場合には相続税申告書を申告期限内に提出しなければならないことになりますので注意が必要です。
1. 小規模宅地等の特例を適用することにより相続税額が0円となった場合
2. 配偶者の税額軽減を適用することにより相続税額が0円となった場合
これらの2つに共通することは、特例を適用しなければ相続税額が0円とならないことです。そしてこれらを適用するには申告期限までに財産を承継する相続人が確定している必要があります。
なお、申告期限までに遺産分割協議が成立しない場合には未分割として相続人全員でとりあえず特例を適用せずに申告・納税することとなりますが、一定の手続きを行うことで分割後に特例を適用し再度相続税を計算し直して差額の税額を還付できることもあります。いずれの場合も、特例適用の要件や手続きの提出期限が厳格に定められていますので、該当しそうな方は税理士にご相談することをお勧めします。
参考:国税庁ホームページ
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
No.4158 配偶者の税額軽減
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm