相続税コラム
相続発生後の手続き ~小規模企業共済編~
相続が発生した際に必要となる手続きのうち、ここでは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済に係る手続きの中で一般的なものをご紹介します。
※本稿は令和4年5月時点の法令及び各情報に基づき記載しています。
① 小規模企業共済の死亡退職金の請求手続き
小規模企業共済の共済金は主に廃業したり退職した際に支給されます。不動産賃貸業を営んでいる方の多くは死亡によって不動産賃貸業を廃業することと思われますので、その場合は死亡退職金として共済金が支給されます。相続人であれば誰でも共済金を請求できるわけではなく、以下の順位によるものとされています。(小規模企業共済法第10条1項、2項)
第一順位 配偶者
第二順位 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で共済契約者の死亡の当時、主としてその収入によって生計を維持されていたもの
第三順位 前号(第二順位)に掲げる者のほか、共済契約者の死亡の当時、主としてその収入によって生計を維持していた親族
第四順位 子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で第二順位に該当しないもの
なお、上記の規定により共済金の支給を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、共済金は、その人数によって等分して支給します。(同法第10条3項)
【共済金の請求方法】
中小機構によれば、共済契約者の死亡による請求方法は以下の通りとされています。
手順1. 「共済手帳」などの共済契約者番号が確認できる書類を準備する
手順2. コールセンターに問い合わせする
電話番号 050-5541-7171
参考:中小機構ホームページ 手続き一覧|小規模企業共済
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/customer/procedure/index.html
② 小規模企業共済の課税関係
共済金を死亡退職金として遺族が受け取る場合は、みなし相続財産として相続税の対象となります。このとき、受け取った共済金から下記の非課税限度額を控除した残額が相続税の課税対象となります。
退職手当金等に係る相続税の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
なお、上記の非課税は相続人が取得した場合に適用となりますので、相続人以外の人が取得した退職手当金等には適用はありません。
参考:国税庁ホームページ No.4117 相続税の課税対象となる死亡退職金
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4117.htm